アルブチンの立体選択的酵素電気化学センシング

 コケモモや梨などから採取できるβ-アルブチンは、グルコースとヒドロキノンがβ-1,4結合した配糖体である。また、アルブチンはチロシナーゼに直接作用し、メラニン合成を阻害するために美白化粧品などに使われている。また最近、江崎グリコ株式会社によってα-1,4結合を有するα-アルブチンが開発され、β-アルブチンよりも美白効果が高いことから化粧品原料に使用されるようになってきた。アルブチンの分析は、一般にHPLCにより行われるが、通常のC18逆相カラムでは、溶出時間が同じであり、UV検出器、電気化学検出器を用いると、α, βの区別ができない。そこで本研究では、α-グルコシダーゼ、β-グルコシダーゼの酵素反応を用い、生成するヒドロキノンを電気化学検出する方法を考案した。これにより、α、β-アルブチンの選択的分析が可能となる。